写真論 No.1 モノクロで建物を撮る。

カメラを始めてからずっとモノクロ写真を撮り続けているんだけど、周りからは「モノクロは甘え」「モノクロだからカッコよく見える」というのが言われてしまう。僕としてはただ好きなものをモノクロで撮っている。

フィルムカメラ時代にモノクロフィルムのほうがタダで手に入りやすかった影響もあって、モノクロのほうが慣れているからデジタルに変わっても続けているだけに過ぎない。

僕は自家現像をしなかったので、近くのカメラ屋さんに持っていって現像してもらっていました。現像代500円+フィルム代+データ化500円の時代です。フィルムが500円で入手できれば1500円でした。今は使っていませんが、フィルムスキャナーは1万5000円で購入して、データ化代を安く抑えようとしていました。

僕からすればタダでモノクロフィルムが手に入るとなればスキャナーはあるし、現像代さえ用意出来れば問題がない状態となったんです。自分で購入すれば数千円しますが、周りにはカメラユーザーがいて期限切れのモノクロフィルムを頂けるのです。

1本や2本のレベルではなく50本レベル。使いきれませんので誰かにあげたこともありました。カラーフィルムを買えば当日中に現像できますが、モノクロ現像は時間がかかるし、お金もかかります。現像液を汚染するフィルムなら3倍ちかくの現像代を請求されることもあります。

そんなこともあってフィルムはモノクロが主力となりましたし、好きな写真家がモノクロ写真ばかりの年代の人たちばかり、周りはモノクロ寄りだったこともあったんです。

そのままデジタルへ移行しても、モノクロで撮影する癖が付いているし、モノクロ基準で風景を探してしまうというのはあるかもしれませんけど。

モノクロで建物を撮るのですが、基本的には建物も単色や単調というものはモノクロで撮るようにしています。明るい色を使った建物だとカラー写真で色彩をはっきり出すようにします。

モノクロばかりで撮影せず、使い分けて撮影すればいいと僕は思っています。コンクリートや陰、鉄の質感などを目立たせたいならモノクロでしょうけど、黄や赤など明るいものであればカラーを使うとセンサーやメーカーが用意したプリセットを味わうことができると思います。

モノクロで建物を撮るといっても色々な撮影方法があると思うので、自分で模索していくしかありません。モノクロで建物を撮るというのも、ひとつの手法に過ぎないので、ぜひ自分なりの建物撮影にチャレンジしてほしいです。

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