写真を撮り続けて10年ほど経過しました。たくさんのカメラのボディやレンズを買ってアクセサリーを揃えて、フィルムでいえば135mm、120mm、チェキ、4×5にも手を出して、今の機材に収まっているところではあります。
これ以上乗り換えるカメラというものも思いつかず、FUJIFILM GFX50S2とSIGMAfp、タチハラ45で今は写真を撮り続けることを選んだわけで、じゃあ撮影することで一番大事なこと。写真にプラスに影響していることなんだろうか?と思ってしまったんですよ。
確かに僕はみんなに写真を撮りなさい、という抽象的な言い方でしか回答しません。論理的かつ具体的な「写真を撮る方法で今より良くなる方法」について明言を避けています。なぜかといえば回答として正しいものがないからです。
写真というものはケースバイケースでして、天候はもちろん、撮影者の体調でも左右されるものだと僕は考えています。同じ機材、同じ天候、同じ被写体で撮影者が変わったぐらいで撮れる写真は一緒なのでは?と思われる方は真っ直ぐ考えているので正しいんですけど、撮影者というのは、そこで視点を変えてみたり条件を変更することで誰かと違うものを同じ被写体なのに違う写真を撮ることに意味があるとも考えています。
これは写真家としての意見ですが、これが商業カメラマンだと同じ写真を撮れるだけの技能を持つ必要はあると思います。写真家でも商業カメラマンをやっている方が技術的な底上げに繋がっています。
本気で写真で飯を食っていき、芸術的な写真家を目指していくのであれば商業カメラマンになることはひとつの手段ともいえます。まずは飯が食えることが優先しなければ、底上げされる前に続けることが難しくなる可能性が極めて高いです。
カメラマンも何か基礎を様々な方法で学び、実践して写真を撮っているわけです。僕みたいな独学で自由に撮影して生きているような人間は、技術的な面でいうと素人に近いので「写真を撮りなさい」としか言えないんだと。
でもそれで作品として写真が評価されて購入されたこともあるし、オファーを受けて写真展をやったことがあったり、ネットで写真がほしい売ってくれと言われたことは年何回かはあります。実際販路以外に支援してくれる人がいて生活費をぐっと抑えることができていたという事実はあります。
追い込みすぎて、うつ病になりましたけど、地元の佐世保に戻ってきて生活苦から抜け出して、写真から離れたら良くなりましたけどね。
ということで撮影において一番大事なことなんですが、心構えだと思います。大きく分けて3つ。
- プロのカメラマン
- 趣味
- 写真家
になりたいのかです。写真技術がなくても写真家という道はあります。但し食っていけるかどうかは分かりません。趣味であれば技術なんて自由です。本気でやるか好きなだけやるかです。カメラマンであれば食っていけることが大前提で、撮影技術をしっかりと基礎から学び、仕事のとり方から学ぶことになるでしょう。そうなれば写真家として食っていく暇はないかもしれない。あるかもしれない。趣味としてカメラを触るのが嫌になるかもしれないというリスクを負うことになります。
まずはなんとなく始めた人は、心構えから考えて、今後の自分と向き合っていくことになります。カメラといっても100万円ぐらいはあっさりと好み次第は使うことになります。何かのサブスクに入れば毎月1000円は飛んでいきますからね。
良いボディやレンズに安く出会うとしても、それだけの人脈を作ることになります。出会いを見つけることになりますし、結局僕が500万円近く使用して今の場所にいて、なんとなく満足できているわけですから、いくら使ったのか計算したらいくらぐらいになるのか疑問です。一応500万円と言いましたが、これは思い出せるだけの金額です。買取で差額で出していることもありますから。
心構えをきちんと見据えて、生活と向き合って、お財布と仲良くできるかが大事です。車一台分を突っ込む必要があるんですよ。中にはフルカスタムされた乗用車が買える規模を突っ込んでいる連中もいます。
本気でやればきりがないことを知って撮影するというのを考えてほしいです。ただ趣味という点なので、途中で我慢することが許されます。写真家にしろ、カメラマンにしろ、仕事に作品に妥協できないなら、お金を出す必要が出てくるかもしれません。
そういうことで、真面目にやりたいなって思う人は収入というか資金を増やすことも検討してください。